
新型レクサスESがついに世界初公開。1989年の登場以来、静粛性と快適性で高い評価を受けてきたESは、8代目となる今モデルで電動化とデザイン性を大幅に進化させました。2025年上海モーターショーで披露された特徴やデザイン、パワートレインの詳細、そして日本市場での発売予定はどうなるのでしょうか。
新型レクサスESの概要
モデル刷新の背景と時期
レクサスの基幹モデルとして知られる「ES」は、1989年の初登場以来、多くの国や地域で愛されてきました。新型「ES」は、8代目となるモデルで、これまで培ってきた静粛性や乗り心地、そして広い室内空間をさらに進化させるために全面刷新される予定です。
「Experience Elegance and Electrified Sedan」という新しいコンセプトを掲げた新型ESは、時代に即した電動化技術と高級セダンのエレガンスを融合させることを目指しています。また、ボディサイズの拡大や新しいパワートレインの導入など、より深化したデザインと性能がユーザーの期待に応える意図を反映しています。
上海モーターショーでの初公開
新型レクサスESは、2025年4月23日に中国・上海で開催された上海モーターショーで世界初公開されました。この大舞台での初披露は、レクサスがグローバル市場での存在感をさらに強める意図が鮮明に現れました。
イベントでは、次世代電動車ラインアップの先陣を切るモデルとして紹介され、その洗練されたデザインと進化した性能が、多くの来場者を魅了しました。また、次世代BEVコンセプト「LF-ZC」にインスパイアされたデザインは、エレガンスとモダンなスタイルの見事な融合として高く評価されました。
日本市場での発売予定時期
日本市場向け発売は、2026年の春頃が予定されています。
パワートレインにはハイブリッドモデル「ES300h」「ES350h」と、バッテリーEVモデル「ES350e」「ES500e」の4種類が用意され、日本の多様なユーザーニーズに合わせて選択肢が拡大しています。また、「Lexus Safety System +」を搭載した先進的な安全性能も、日本のユーザーに安心感を提供する重要なアピールポイントとなっています。
新型ESのターゲット層
ターゲット層は、高級車市場でエレガンスと快適性、そして環境性能を求める顧客を中心としています。特に、電動車市場の急速な拡大と環境意識の高まりを背景に、次世代電動車を求める30代〜50代の都市型ライフスタイルを志向する層や、新しいプレミアムなライフスタイルを志向するユーザーに向けたモデルとしての位置づけです。
80以上の国や地域で展開されるため、国際的視野に立った多様なユーザーに向けた設計が施されています。その静粛性や広い室内空間、革新的な電動化技術が魅力となり、競争激しいセダン市場での優位性を確立することを目指しています。
意匠の進化〜デザインと外装の特徴
“流麗ボディ”の設計理念
優雅さと力強さを兼ね備えた次世代セダンとして生まれ変わりました。このデザイン理念は、空力性能とスタイリッシュな外観を両立させることを目指しており、細部にまで配慮された各パーツがその完成度の高さを物語っています。
全長5140mm、全幅1920mmという拡張したボディサイズは、従来モデルよりもダイナミックな印象を与えつつも、LEXUSらしい高級感を損なうことがありません。
新採用“ハンマーヘッド”フロントデザイン
フロントフェイスには、LEXUSのデザインアイデンティティを継承しつつ進化させた“ハンマーヘッド”デザインが採用されています。このデザインは、力強さと先進性を象徴し、見る人に強い印象を残します。
フロントグリルの形状やヘッドランプの鋭いラインは、新型ESが持つ次世代セダンの象徴的な存在感を際立たせています。
インテリアの高級感と機能性
インテリアは、高級感あふれる素材使いと、操作性を追求した最新技術が融合しています。
特に、世界初となる「レスポンシブヒドゥンスイッチ」は必要なときにのみ現れる操作パネルとして導入され、シンプルかつ直感的なユーザー体験を実現しています。
また、広々とした室内空間は静粛性がさらに向上しており、乗員に極上の癒しとリラクゼーションを提供します。
多様なパワートレインの選択肢
HVモデル「ES300h」「ES350h」の特徴
ハイブリッドモデルである「ES300h」と「ES350h」は、環境性能とエレガントな走行感を両立したモデルです。「ES300h」には直列4気筒2.0リッターハイブリッドシステムが初めて搭載されており、高い燃費性能と静粛性を提供します。
一方、「ES350h」では新開発の2.5リッターハイブリッドシステムが採用され、力強い動力性能を実現しています。また、AWDモデルも設定されており、さまざまな路面状況に対応できる拡張性の高いラインアップとなっています。
BEVモデル「ES350e」「ES500e」の特徴
完全電動のBEVモデル「ES350e」と「ES500e」は、新型レクサスESの電動化を象徴する存在となっています。2WD(FF)の「ES350e」はCLTCモードで約685kmの航続距離実現し、長距離移動にも適しています。
4WDの「ES500e」は高出力で荒々しい路面条件でも安定した走行性能を提供し、0-100km/h加速はわずか5.9秒を実現しました。この2モデルは、床下に配置されたバッテリーによる低重心化設計が特徴で、操作性と快適性を向上させています。
電動車戦略とマルチパスウェイアプローチ
レクサスは新型ESを通じて、電動車戦略をさらに深化させる「マルチパスウェイアプローチ」を打ち出しています。このアプローチでは、ハイブリッド(HEV)とバッテリー電気自動車(BEV)という2つの電動パワートレインを同時に展開し、多様なニーズに応えます。
LEXUSブランドとして電動化への転換を加速させながらも、選択肢の幅を広げることで、より多くの顧客に電動車の価値を提供できる戦略です。
新型ESがもたらす未来像
LEXUSブランドとしての挑戦
新型「ES」は、LEXUSブランドの新たな挑戦を象徴するモデルです。これまでもレクサスは高級車ブランドとして全世界で認知されてきましたが、8代目ESは「Experience Elegance and Electrified Sedan」というコンセプトの下、電動化と高級セダンの融合を目指しています。
もともと静粛性や快適性、上質なデザインで評価されてきたESに、次世代の電動車技術を取り込み、新たな体験価値を提供することを目指しています。この取り組みは、LEXUSが未来のモビリティ市場にどう挑むかを示す重要な一歩となります。
次世代セダン市場への影響
その革新的なデザインや多様なパワートレインにより、次世代セダン市場に大きな影響を与えることが予想されます。その流麗なボディデザインや新採用のハンマーヘッド型フロントデザインは、未来の高級セダンの新しいスタイルを定義するものとなるでしょう。
また、電動車としての優れた環境性能や航続距離、そして快適性は、消費者が電動車を選ぶ際の基準を引き上げると考えられます。新型ESは、電動化が進む中での次世代車市場の価値観を変える存在となるでしょう。
ユーザー体験の新たな提案
新型ESは、単なる移動手段ではなく、ユーザーに新しい体験を提供する存在として設計されています。インテリアには、世界初の「レスポンシブヒドゥンスイッチ」を採用するなど、先進的な使い心地を実現。広い室内空間や静粛性のさらなる向上により、乗員全員が快適に過ごせる環境を提供します。
また、先進的な安全技術「LEXUS・セーフティ・システム+」も導入されており、運転支援機能を通じて安心感を与えます。ユーザーにとって新型ESは、ただの車ではなく「エレガンスを体験するプラットフォーム」として、新たな価値を提供すると言えるでしょう。